10月25日に開催しました標記セミナーの参加者アンケートにおいて、ビデオ講演会講師の山﨑先生に対する質問が寄せられ、山﨑先生から御回答をいただきましたので掲載いたします。
【 質 問 】
「いじめ」と「喧嘩」の関係について
喧嘩でも、片方が嫌だなあと感じたら「いじめ」でしょうか。
「喧嘩両成敗」との言葉もありますが、互いに解決できれば大人が介入しない方がいいでしょうか。
【 回 答 】
一方が精神的な苦痛を感じていれば、一見ただの喧嘩に見えたとしても「いじめ」の可能性があると考えて対応してください。その場だけで見える事象は一過性の喧嘩かも知れませんが、背景に継続的ないじめが生じていることもあります。
その場合、安易に「喧嘩両成敗」的な対応をしてしまうと加害者は増長し、被害者は大人に助けを求められなくなるという最悪の効果をもたらしますので、実は「喧嘩両成敗」は最もやってはいけない対応です。丁寧に事実関係を双方から聞き取ってください。
もちろん、本人たちだけで解決できるようであれば、無理に介入する必要はありません。きちんと対等な話し合いが行われているか、プロセスだけ注視してあげれば十分です。
介入する場合は、喧嘩の発生自体を咎めるのではなく、「喧嘩を吹っかけてはいけない」「吹っかけられた喧嘩に暴力などの違法な手段で応じてはいけない」と、きちんと課題を分離して対応してあげることが重要です。 こども側の事情を聴きとっていると「先に悪いことをした方はどっちか」という水掛け論になりがちですが、「やられたらやり返す」という思考もきちんと否定してあげてください。